モディリアーニ弦楽四重奏団


2015.11.21

モディリアーニ弦楽四重奏団 at 神奈川県立音楽堂

[曲目]
モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第1番
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番「セリオーソ」
(アンコール)
アンダーソン:プリンク・プレンク・プランク
ローマン・ホークシュテッター:ハイドンのセレナーデ

フランスのパリ国立高等音楽院出身の若手メンバーで構成されたモディリアーニカルテットの演奏会へ。今回はチェロのフランソワ・キエフェルが怪我で残念ながら来日できず、マルク・コッペイが代奏という形に。マルク・コッペイは元イザイ弦楽四重奏団のメンバーとのこと。

モディリアーニ・カルテットですが、結成12年ほどの若いカルテットとはいっても、すでに世界を舞台にかなり活躍しているカルテットらしく、やわらかい美音と熟練カルテットのような安定感のあるアンサンブルを披露してくれて、とても楽しめました。ショスタコの1番が特に良かったですね。自分もカルテットもどきのことを今やっているのでモチベーションが上がる演奏でした。
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ベートーヴェンの弦楽四重奏曲14番冒頭の仕掛け


2015.07.02

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲14番といえば、ベートーヴェンが少し苦手な自分でもとても気に入っている曲で、弦四の中では一番の傑作だと思っているんですが、1楽章冒頭の1stVn~2ndVnが奏でる音に、7つという弦楽四重奏曲としては珍しい楽章構成の全ての調の主音が含まれているらしいです。カルテット奏者には常識のことなのかもしれないですが、自分は全く気付きませんでした。そこまで考えて1楽章の難解かつ精妙なフーガを作って、しかもあれほど音楽的に美しいものを書き上げたかと思うと本当に恐ろしくなります。他にも色々な謎というか、工夫が隠されてそうですね。

アルカント・カルテット 第2夜 王子ホール


2012.01.13

アルカント・カルテット 第2夜 (王子ホール)


[曲目]
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J.S.バッハ:フーガの技法(BWV1080) コントラプンクトゥス 1,4,6,9
クルターク:6つの楽興の時
J.S.バッハ:フーガの技法(BWV1080) コントラプンクトゥス 11
シューベルト:弦楽四重奏曲 第15番
(アンコール)
ハイドン:弦楽四重奏曲 第64番 第2楽章
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2日連続でアルカント・カルテットの公演へ。
今回は全部未聴の曲(フーガの技法も知りません)でしたが、アルカント・カルテットならどんな曲も楽しませてくれるはずだと期待してチケットを購入。結果的に聴きに行って良かったと思いました。前日の演奏も素晴らしかったですが、この日はそれ以上の演奏だったと感じました。

曲を知らないので、細かいことは他の方の評論に任せるとして。まずバッハから。フーガの技法ということで複雑な音楽を想像していましたが、そこはやはりバッハの音楽、大変聴き易くて、すっと4つの音の動きが入ってきます。やはりバロックというのを意識しているのか4人の奏者とも意識的にノンビブラートを多用しているように聴こえました。ケラスは予想に反してバロックモードではなく、普通のチェロ。その理由はバッハを全曲演奏せずに、途中からクルタークの曲を演奏するためだったたと推測されます。

今回の演奏会は誰の発案かはわかりませんが、バッハ⇒クルターク、そしてバッハに戻るという面白い演奏の流れでした。他声音楽の起源(バッハ)と、前衛音楽(クルターク)の対比をさせたかったのか、はたまたバッハもクルタークも実は根本的なところでは繋がっていると表現したかったのか。ともかくもクルターク(夢or未来?)からバッハに戻る際の音が静止していき、自然にバッハの音楽(現実or過去?)に戻ってきた時の感動というか、安心感というか、言葉では上手く表現できません。素晴らしい工夫だと思いました。

クルタークの音楽は、現代音楽ということで、やはり色々な奏法を駆使し、旋律に乏しいものでしたが、つぶやく様な音、4パートの流れるような繋ぎ、あちこちで囀るハーモニクス、高速な金切り声のような早い弓、冷たい平坦なロングトーン、独特の間、など色々と楽しめる音響が散りばめられていました。どうせ理解不能でつまらないんだろうなーと思っていたのですが、思っていたよりも聴きやすかったです。アルカント・カルテットは、大変な難曲に聴こえたこの曲を、易々と弾いているように見えました。第5曲「鳥の回想」はタベア・ツィンマーマンに捧げられているようです。

そしてメインのシューベルト15番、これが一番感動しました。繰り返しがあるためか、非常に長い曲だったのですが、4人が作り出す世界があまりに壮大で変幻自在。たった4つの似た音を出す楽器から、オーケストラ以上のドラマチックなサウンドを表現していたように感じました。音楽が本当に一つの生き物のように聴こえました、あれは大多数でやるオーケストラではできない業だと思います。1楽章は刻みの上で旋律が動くせいか、ブルックナー風の壮大なイメージを持ちました。2楽章のチェロの旋律がまた素晴らしかった。ケラスは旋律の要所要所でビブラートをかけるものの、おおむねノンビブラートな感じの弾き方で、それが独特の幻想的な雰囲気を醸し出していました。伴奏もふわふわした感じで曲の雰囲気をよく表していました。アルカント・カルテットの独特の軽さと、音色の多用さ、間や揺らぎが、シューベルトの音楽にぴたりとはまっていたと思います。ベートーヴェンも良かったのですが、より幻想的なシューベルトのほうが自分は合っているなと感じました。

アンコールは、ハイドンの64番からアダージョ。この日もケラスが日本語で曲紹介してくれました。この曲も初めて聴く曲でしたが、ハイドンらしい穏やかな曲で、心地よく楽しめました。シューベルトで消耗された大量のエネルギーが、リフレッシュして戻ってくる感じがしましたね。

しかし、女性陣の服ですが、前日とドレスが変わってました、日曜?のトッパンホールの公演も曲が違うので、別のドレスでしょうか?あのドレスは大量に空輸してるんでしょうかね・・・。ともあれ次回の来日も期待したいところです。あと、シューベルトの15番の録音を出して欲しいですね。ベートーヴェンの後期弦楽四重奏でもいいけど。


theme : クラシック
genre : 音楽

アルカント・カルテット 第1夜 王子ホール


2012.01.12

アルカント・カルテット 第1夜 (王子ホール)

1stヴァイオリン:アンティエ・ヴァイトハース
2ndヴァイオリン:ダニエル・セペック
ヴィオラ:タベア・ツィンマーマン
チェロ:ジャン=ギアン・ケラス

[曲目]
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モーツァルト:弦楽四重奏曲 第15番(K421)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第16番
ブラームス:弦楽四重奏曲 第3番
(アンコール)
ドビュッシー:弦楽四重奏曲 第2楽章
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2年ぶりぐらいでしょうか、アルカント・カルテットの公演に行ってまいりました。
モーツァルトの15番はハイドン・セット中、唯一の短調(二短調)とのこと。モーツァルトの短調は珍しいですね。
最初におや?と思ったのは、ケラスのチェロからエンドピンが出てない点。なんと足でチェロを挟んで、かなりチェロを縦にして弾いていました。弓も短めにもっているように見えましたし、バロックチェロだったんでしょうか。私の拙い耳では音が「バロック~」という感じに聞こえたわけではないのですが、おそらくは何らかの効果を狙っているんでしょう。

出だしは少しばらついた感じで少しハラハラしましたが、1楽章の繰り返しぐらいで大分落ち着いた演奏になったように思いました。悲劇的な曲調ではあるのですが、モーツァルトだからこそなのか、重く弾くのではなく、全体的な軽さが感じられる表現でした。印象的だったのは、1stヴァイオリンがかなり旋律の音量を落としていたりしていましたが、1stが音を極端に小さくしても、チェロの音はあまり落とさなかったこと。少し馴染みのない響きでしたが、安定感を感じましたし、面白い響きだなと思いました。繰り返しでは特に1回目と2回目で明確に弾き分けているようには感じさせなかったのですが、それでも飽きさせないのが素晴らしいなぁと思いました。常に動きと歌があるからでしょうか。


ベートーヴェンの16番。おそらくは幾多もの名演があるので、ベートーヴェン通の人からするとそうでもないのかもしれませんが、自分は一番この演奏に感銘を受けました。ケラスは普通のチェロへ戻して、エンドピンも長めな感じ。あれだけいきなりチェロの角度が変わると、色々弾きにくいと思うのですが、そこは流石という感じでそういう弾きにくさは微塵も感じさせませんでした。

1楽章。この楽章も凄く軽くて、楽しくなるような演奏でした。ケラスは速いスタッカートは弓の真ん中あたりで、短めの弓でとばしてるように見えました。ピチカートははっきりした音色。2楽章のスケルツォはvivaceですが快速というよりは遅めのテンポ設定のような気がしました。フレーズの切れ目をわかりやすく表現していました。ヴィオラとチェロのシンコペーションは少しベタベタで重めの弾き方、でもそれ以外はかなり軽い。難しそうな速い部分、1stは少し大変そうでしたが、ヴィオラとチェロは完璧に弾きのけてました。3楽章はただただ美しいのですが、そういう点では一番印象が薄かったかな。でもヴァイオリンの旋律素晴らしかったです、後半の囁くようなメロディが心に響きました。4楽章、ヴィオラとチェロのノンビブラートの暗い旋律、怖いぐらいでした(ケラスは最後のほうにビブラートかけてましたが)。ヴァイオリンの音色と、ヴィオラ・チェロの音色がちょっと離れている印象もありましたが、そういう差をつけて掛け合いを表現するところなのかもしれません。チェロの優しい旋律はケラスの魅力が活きる感じで、大変素晴らしかったです。


ブラームスの弦楽四重奏曲の3番、これは初めて聴きます。1番なら以前アルカント・カルテットの演奏も聴きましたし、CDも持っているのですが…。1楽章に関しては、やはり前2曲と違って、少し低音が重めという感じの印象を受けました。弾き方を見ていても、そう違いがあるようには見えませんでしたが、ケラスは弓の根元で弾く割合が多かったように思います。2楽章は、テヌート気味の動きのある伴奏の上で、のびのびと旋律が歌われるのが心地良かったです。3楽章はヴァイオリンとチェロがミュートをつけて特殊な効果を狙っている楽章のようですが、1stヴァイオリンの音色が凄く変わっていて驚きました。弱音器つきの静けさを内包するような音色というより、かなり充実した音で弾いていたからなのか、1stの音がなんか浮いて、不思議な響きになっていました。しかし、この楽章(4楽章もそうでしたが)ヴィオラのタベア・ツィンマーマンの演奏が素晴らしすぎました。ヴィオラはあんな音出るんですね、弾いている姿も自由そのもの。4楽章も全体的に軽くて流れるような音楽、淀みのない音楽に釘付けになりました。

アンコールのドビュッシーはさすがに録音までしているだけあって、見事という他ない演奏でした。カルテットには詳しくないので断定はできませんが、あの水準で演奏できるカルテットは、そういないのではないかと思わされます。しかし、ケラスはリサイタルでもそうですが、アンコールを毎回日本語で説明してくれるのが嬉しいですね。


アルカント・カルテットの演奏は、ダイナミクスの幅が大きいですし、音色も多様で、やはり面白いですね。ソリスト集団だからといってもテクニックを顕示するような、豪快だったりむやみに速い演奏にならず、繊細さや自然な息遣いを感じられるのが個人的に気に入ってます。モーツァルトはともかくとして、ベートーヴェンもブラームスもどこかドイツ的?な「重い」というか「重厚な響き」というか、「苦悩」とか「苦渋」とか「生真面目」とか、そんな音のイメージを想像してしまうものですが、想像以上に軽くて流れるような演奏で、心地よい音楽でした。

今回特に印象に残った表現は、旋律の1stだけが凄く音量を落としたりしていたところでしょうか。凄く音量は落ちていても、深い伴奏の響きの中でも、旋律だからちゃんと聴こえるんですね(もちろん音量が落ちていても、かすれた音にはなってません)。ピアノでもオケでも伴奏よりもメロディを大きめに弾くというのは、普通に言われることなんですが、「旋律が目立たないけれど、ちゃんと響きの中から聴こえてくる」という音楽体験も面白いのではないかなーと思いました。


theme : クラシック
genre : 音楽

アルカント・カルテット演奏会(9/25)


アルカント・カルテット 第1夜 ~夜はかくの如し~

もう大分前のコンサートですが、ケラスのカルテットを聴きにいきました。
場所は私も始めての王子ホールです。300人程度の小さな、しかし高級感のあるホールでした。

カルテットのメンバ構成は以下。
第1ヴァイオリン:アンティエ・ヴァイトハース
第2ヴァイオリン:ダニエル・セペック
ヴィオラ:タベア・ツィンマーマン
チェロ:ジャン=ギアン・ケラス

曲目:
ドビュッシー:弦楽四重奏曲
デュティユー:弦楽四重奏曲「夜はかくの如し」
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第6番


 あまり室内楽は聴かないんですが、今までこんな上手いカルテットを生で聴いたことなかったので、あっという間に感じました。カルテットとしては、やっぱり第1ヴァイオリンのアンティエ・ヴァイトハースがひっぱっていて、その動きも音ももちろん素晴らしかったですが、私としてはヴィオラのタベア・ツィンマーマンが気に入りました。ヴィオラがあんなに上手い!と感じるカルテットは初めてだったので、大変新鮮でいい勉強になりました。チェリスト視点では、ケラスは相変わらず凄いことをこなしてましたqが、いつもより目立たなかったかな。曲目のせいかケラス節も少なかったような。

●ドビュッシーは良く知っている曲なので、とにかく表現の緻密さがよくわかりました。ダイナミクスレンジの大きさが素晴らしいですね。3楽章は相変わらずいい曲です。

●デュティユーは最近の作曲家みたいで、あまり聴きやすい曲ではなかったですが、現代音楽としては聴きやすいほうでした。非常に音色が多様で、メロディよりはやはり様々な響きを楽しむ音楽ですね。2ndの譜面だけやたら流そうでしたね。

●メンデルスゾーンは実は初めて聞きました。 メンデルスゾーンらしく大変聞きやすい曲でしたが、知らない曲でデュティユーに比べると、印象が薄くなってしまった。

アンコールはブラームスの四重奏曲とラヴェルの四重奏曲から抜粋でした。
今後も楽しみなカルテットです。ラヴェルとドビュッシーの録音だしてほしいですね。
しかし、ブラームスのCDはamazonで購入できないとは予想外。
当日買っておけばよかった!

ドビュッシー様の美しい3楽章。途中、揺らぎながら一度激情的になるのがイイ。

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ふじいよ

Author:ふじいよ
ソフトウェアエンジニア・ITコンサルタント・個人投資家・資産運用アドバイザー・チェリスト


音楽が主な趣味で、楽器はチェロとピアノを弾きます。ジャンルは主にクラシックで、チェロはオーケストラなどでよく弾いてます。他に登山(百名山巡り)・美術館・スパ温泉巡り・ヨガなどが近年のマイブーム。いろいろ手広くやってる自由人です。


専門はIT屋さんですが、長年やっている投資(資産運用)のほうも順調で、6、7年連続でトータルでマイナスになったことはありません。

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