密やかな結晶



小川洋子:密やかな結晶 (講談社文庫)

今度石原さとみが出演する演劇を見に行く予定なので、小川洋子の「密やかな結晶」を予習がてら読んでみた。
記憶がどんどん「消滅」する島の住民の物語。どことなく時間どろぼうが登場するミヒャエル・エンデの「モモ」にも似たような感じだが、島民が失うのは何かしらの記憶。どういう仕組みでそうなるのかは特に説明はない。ただし、記憶を失わない人間も混じっており、島の秘密警察が記憶狩りといって、それらの人間をどこかへ連行するというナチスのユダヤ人迫害を彷彿とされる設定でもあった。

内容はまさに荒唐無稽で、いくら小説でもどうなのかなとも思ったが、我々が当たり前のように思っている自分の体や、些細な身の回りの物、こういったものが記憶から消えて近く出来なくなることの恐ろしさと、些細なものの重要性にも気づかせてくれるのではないだろうか。また人間における「言葉」がいかに重要かも、作者が特に強調したかったことなのかもしれない。




シェアリングエコノミーと非中央集権通貨


モノがあまり、金もあまる。今の日本はそういう状況だと思う。もちろんこれは個人の状況を指すのではなく、社会全体としての話だ。

中央銀行がいくらお金の供給量を増やしても、ETFやREITを購入しても、なかなか物価上昇は加速しない。もちろん生きるために必要な生活必需品に関しては、値上がり傾向がかなり強くなってきている印象だ。ブランドもののような自己を誇示するようなもの以外で、必需品でないモノの価値は、フリマアプリだったり、シェアリングサービスだったりの影響で暴落しているように思える。

現在、必需品で最も金がかかるものが住居費だが、今後日本では人口に対して不動産が供給過剰になるため、海外から投機資金が入ってこない限りは、全体的には不動産や家賃の価格には強い下落圧力がかかるだろう。新築の戸建て・マンションを買うことを捨てて、よりコスパの高い不動産へ住み替えていく選択をするなら、余裕のある生活ができる可能性が高い。

日本においてはマイナス金利などの量的緩和政策の問題でなく、国の借金という意味でもなかなか金利を上げづらい環境にあると思う。ということで、銀行預金というのは今後も資産を増やすという点では選択肢にはなりにくい。今ブームの仮想通貨、多くの通貨は実際の用途から考えると、割高な水準まで買い上げられていると思うが、ブームが去ったとしても、非中央集権的な通貨はデジタルゴールドとして、ある程度の支持を集めるかもしれない。それがどの通貨なのかはわからないが、ビットコインのような欠点がなく、機能的に洗練されていて、持続可能性があり、価値もある程度安定している必要がある。

中央銀行が発行する通貨も、人々からの信用で成り立っている。だから、みんなが役に立たない・必要ないとみなせば、一気に価値は暴落する。現状、私も含めて、多くの人々は一日の大半の時間を中央銀行が発行する通貨を得るためだけに過ごしている。現状、それがないと生きていけないという事実と、それをたくさん持っている・稼いでる人間が優れているとみなされる社会だからだ。

株式会社であれば、株主のために利益の最大化を求められる。利益の最大化とは必要以上にモノやサービスを売り、必要以上に従業員を安く使役することによって得られる。もちろんこのロジックによって社会が便利になってきたことは否定しない。だが、需要以上にモノ・サービスが過剰な段階にきてしまったら、会社の利益の最大化というのは、弊害のほうが大きくなってくるのではないだろうか。経済的格差は拡大しているというということだから、一握りの人間のために、大多数の人間が自由になれず、苦しんでいるのが現状だろう。

だが、これだけ便利な世の中になり、モノは溢れているし、中央銀行の通貨の価値(金利)も毀損していて余っている。特にインターネットに小さいころから接してきてあらゆる情報にアクセスでき、モノに関しては何不自由なく過ごしてきた、若い世代は気づきはじめているのではないか。今までの枠組みや考え方の社会に属する必要はないということに。現状は、中央銀行が発行する通貨に支配されている社会だが、違った経済圏や体制を作って生きるためには、非中央集権的な通貨なり、特定コミュニティ内で通じる通貨なりが必要になってくるかもしれない。



イタリアの仮想通貨取引所で220億円相当のNanoが流出


コインチェックに続き、今度はイタリアの取引所Bitgrailから、仮想通貨Nano、220億円相当が盗まれたようだ。
ユーザに既に全額補償はできないとアナウンスしているという。まだ原因は不明なようだが、取引所にも色々疑惑があるようだ。大切な資産が一瞬で盗まれ、補償がされない可能性を考慮すると、やはり仮想通貨はあまりにリスクが大きすぎるように思う。

海外においてはまだ取引利益に税金がかからないメリットはあるのかもしれないが、雑所得扱いの日本においてはもう大儲けという具合にはいかない。コインチェックに続き、イタリア取引所から通貨盗難のニュースもあってなのか、現在ビットコインなどの値段は少し下がっている。コインチェックユーザーの出金再開時まで、ずっと下落基調だと、パニック的な動きが発生するかもしれない。





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コインチェックが2/13から出金再開






出金不可としていたコインチェックが2/13から日本円の出金を再開するようだ。

今まで日本円を引き出せなかったのは謎だが、ともかく一部とはいえ資産のロックが外れることはユーザにとっては朗報だろうし、倒産の可能性も低くなったと感じる人も多いのではないか。盗難されたNEMは戻ってはいないが、被害も現状一部換金のみで済んでいるようで、米公聴会も波乱なく過ぎ、コインチェック倒産の可能性も少なくなったと判断してか、仮想通貨は全体的に反発している。ビットコインも100万を超えてくるようなら、底確認で再度バブルが膨らむかもしれない。

現状、他国が規制しつつある仮想通貨市場では、日本人の取引量がかなり多いようだ。今回の暴落で大きな被害を被ったのは日本人ということだろう。しかし、なぜ日本人はこれほどまでに価値がわかりにくいものに強気なのかと考えてみると、金が余っているという以上に、銀行の預金金利が絶望的に低いので、銀行に預けるぐらいなら、もしかしたら何倍になるかもしれない仮想通貨にかけたほうが、マシだと考えているのではないだろうか。

日本人は、就職となると、公務員とか大企業志望が多く、安定志向のわりには、パチンコ・宝くじなど、よくわからないがギャンブル好きな面があると思う。20年にも渡る経済の停滞を経験してきて、なんというかこのまま普通に真面目に働くだけでは、裕福な人生は歩めない可能性が高いということがよくわかっているんだと思う。普通の生活ではリスクは犯さないけれども、どこかで「運よく」這い上がるチャンスに賭けている。

ここ10年近い上昇相場で、株価もかなり高い水準になってしまい、今後仮に伸びたとしても+10~20%程度だろう状況で、もう資金を倍に増やせるような夢があるのは、現状、仮想通貨市場しかない。私も確かに今の銀行に預けるぐらいなら、大きく夢をかけて仮想通貨に投資するという行為はハイリスクながら悪くないことなのではないかと思えてきた。バブルが発生しても、バブルが続く限りは儲けられるわけだから。例え、暴落したとしても、レバレッジをかけなければ、被害は最大でも購入資金のみで済む。

しかし、税制的に考えても、バリュー的に考えても、仮想通貨は今後はそれほど有利な資産とは思えない。長期的にみると、ビットコインはマイニング的にも儲からなくなり、利便性にも乏しくなり、通貨として使われるにはあまりに高すぎるので、年月が経つほど安値に陥る圧力が高くなるだろう。世界の株式市場が今後短期間で更に15~20%の暴落をしていくようだと、どこかで信用不安が発生するので、今上昇している仮想通貨の再バブルの可能性は潰されると思う。

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swiftdemandが10万アカウントを突破


ベーシックインカムを実現することを目的とした、無料で貰える仮想通貨Swiftdemandのユーザが10万人を突破しているようだ。実際にサービスを提供している人も増えている。

現状swiftsはブロックチェーンでもなく、ただのデジタルデータに過ぎない通貨なのだが、ベーシックインカムを実現するという理念と、やはり毎日無料でもらえるという手軽さが受けいれられつつあるのかもしれない。もちろん日本円に換金などはできない。今提供されているサービスもやはり手軽で、かつコピー可能で即配布可能なデジタルものが多いようだ。

食料品やモノ、もっと労力のかかる付加価値が高いサービスが提供されるようになってくれれば、ある程度普及はするかもしれない。あくまで一つの実験に過ぎないとは思うが、AI全盛時代になってくるなら、人間が無理して働く必要はなくなってくると思うので、ベーシックインカム的な考えには期待はしている。

<追記>
どうやら将来的にブロックチェーンを活用した仮想通貨を発行する計画があるようだ。現在の無料で配っているswiftと交換できる可能性が高い。となると、俄然、今までと違って価値を持ってくる可能性がでてきた。ユーザ登録数は上限が決まっているので、ベーシックインカムに興味があるならば、登録しておいて損はないかもしれない。




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Author:ふじよん
自由と芸術を愛している投資家。より公平で平和な、個々人が能力を発揮でき、かつ持続可能な世界をいかに作っていくか、そういうことを最近はよく考えます。昔はお金を蔑視した低欲望人間でしたが、今はマネーのこと含め多様な知識を身に着け、一般水準以上の生活はできています。そういった知識を普及することで、より皆が幸福・自由になれることにも貢献できたらと思います。

ソフトウェアエンジニア(プログラマ)・ITコンサルタント・SE・個人投資家・資産運用アドバイザ・マネーコンサルタント・チェリスト・LineLiver・WEBライター・陸マイラー etc


音楽が主な趣味で、楽器はチェロとピアノを弾きます。チェロはオーケストラなどでエキストラ(賛助)としてよく弾いてます。チェロは不定期ですが指導も。他に登山(百名山登山)・美術館巡り・スパ温泉巡り・ヨガ・合唱などが近年のマイブーム。いろいろ手広くやってる自由人です。


プログラム依頼・IT/マネーコンサルタント業務・チェロレッスン・エキストラ依頼など、お仕事の依頼があれば以下まで。受けられるかは内容次第です。

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